令和元年11月定例会

ただいまから香川県議会自由民主党議員会を代表して、当面する県政の諸課題について、知事並びに教育長に質問させていただきます。
 質問の第一点は、来年度予算編成についてであります。
 消費税率引き上げから約二カ月となり、新聞報道等によれば、混乱は最小限に抑えられたとされておりますが、世界経済情勢なども考えると、今後も県内景気動向への注視は必要と考えられます。
 また、先月の台風十九号などによる被害を受け、国でも災害に強いインフラづくりを進める国土強靱化への対応などの補正予算の検討が進められております。本県でも、今後の台風への備えや南海地震への備えを考えれば、今年度同様にハード、ソフト両面での対応が必要です。
 さらに、いまだ人口減少対策や地域活性化の取り組みは端緒であり、今後もしっかりと取り組んでいく必要があります。
 そのほか、高齢化社会などへの対応としての社会保障施策の推進や、JRなどの地域公共交通の確保、地域経済活性化への取り組みとしてのインバウンド対応、県内中小企業への支援、企業誘致など、対応すべき課題は山積みです。
 その一方、提案理由説明でも知事が述べられていましたが、県の財政状況はかなり厳しい状況であるようで、知事も、持続可能な財政運営と山積みの課題への取り組みの両立という難しいかじ取りが求められるでしょう。
 そこで、今後の財政運営をどのように進めていくのか、その上で令和の御代となり初めての当初予算編成に当たり、具体的に何に重点を置いて来年度の予算編成を行うのか、知事のお考えを伺います。
 質問の第二点は、文化芸術の振興についてであります。
 文化芸術活動は、人間が本質的に持つ創造と表現の欲求に基づくもので、そこから生み出される文化芸術は、人々の暮らしを豊かにする基本的な要素の一つであり、複雑化、不確定化が進み、多くのストレスを抱える現代社会において、その心に潤いを与える特性も相まって、その必要性はより高まってきています。
 この十年余りで国内におけるインバウンドが飛躍的な伸びを示しており、本県においても、いわゆるアートツーリズムの来県者が増加していると感じています。
 以前は、アートが誘客につながることなど考えられないことでしたが、今ではツーリズムの目的で、文化芸術は欠かせない要素となっており、昨年度、世界の観光・ツーリズムメディアに瀬戸内や香川が数多く取り上げられていることが、それを物語っているのではないでしょうか。
 まさに、これから厳しさを増す国内外との地域間競争の中で、その地域の文化力が物を言う時代が訪れています。一口に文化力といっても単純なものではなく、その地域の長い歴史の中で、そこに暮らす人々の営みの積み重ねそのものが文化であり、その文化の中からその地域に根差した芸術が生まれ、そうした文化芸術が持つ歴史性、多様性、多面性、重層性、世界性や住民、社会とのかかわりなどの総和が文化力になると考えます。
 本県においても、日本を代表する現代アートの祭典瀬戸内国際芸術祭を初め、世界遺産登録を目指している四国八十八箇所霊場のお遍路文化、香川漆芸や国内最古の歴史を誇る県展、昨年六十周年を迎えた県民誰もが参加できるかがわ文化芸術祭、著名な音楽家を輩出するクラシック音楽界など、幅広い文化芸術が育まれてきました。
 こうした香川が有するすぐれた文化資源を最大限生かし、文化的創造性にあふれた地域づくりを進め、地域の活力アップにつなげていくことが重要ではないかと考えます。
 県では、ことし香川県文化芸術振興計画の第三期計画の二年目を迎え、「断トツのアートの力で香川を日本一住みたいまちに」という目標の実現に向けて取り組まれていますが、文化芸術振興計画の取り組み状況と、今後、どのように展開していくのか、知事にお伺いいたします。
 また、本県の多様な文化資源の中でも、特に香川漆芸は、人間国宝を五人も輩出し、世界に誇る伝統工芸であり、その技術・伝統を継承し、将来に向けて発展させていくことが、我々の責務であると考えます。
 そこで、香川漆芸の継承・発展に向けては、若手作家を育成し、活躍できる環境づくりが不可欠であると考えますが、知事のお考えをお伺いします。
 質問の第三点は、地方公共団体における内部統制制度への対応についてであります。
 我が国は、少子高齢化の進展に加え、人口減少社会を迎えており、人々の生活を支えるために地方公共団体が提供する行政サービスの重要性は、今後、ますます増大するものと考えられます。
 行政ニーズが多様化・高度化した現代社会においては、地方公共団体は、医療や福祉、教育、商工、観光などといった幅広い分野で住民からのニーズにきめ細やかに対応する必要があり、地方公共団体が限られた人員と財源の中で、安定・継続して質の高い行政サービスを提供していくためには、事務を適正に処理することがこれまで以上に求められております。
 こうした中、地方公共団体における適正な事務処理の確保を図るため、平成二十九年に地方自治法が改正され、令和二年度から地方公共団体における内部統制制度が導入されることとなり、都道府県知事は内部統制に関する方針を策定するとともに、これに基づき必要な体制を整備することに加え、会計年度ごとに内部統制評価報告書を作成し、監査委員の審査意見をつけた上で議会へ提出し、公表することが必要になります。
 内部統制は、会社法や金融商品取引法において義務づけられるなど、民間では浸透している制度でありますが、その定義については、業務の有効性及び効率性や財務報告の信頼性などの四つの目的が達成されているとの合理的な保証を得るために、業務に組み込まれ、組織内の全ての者によって遂行されるプロセスとされております。
 地方公共団体における内部統制は、この定義を踏まえ、住民の福祉の増進を図るという組織目的が達成されるよう、行政サービスの提供等の事務を執行する長みずからが、組織目的の達成を阻害する事務上の要因をリスクとして識別・評価し、対応策を講じることで、事務の適正な執行を確保することであるとされております。
 内部統制には、適切な事務処理の確保と法令等の遵守の徹底、職員の意識の改革などの効果が期待できますが、その実施に当たっては、できることから始め、少しずつ発展させていくことが必要であるとともに、人的・財政的な制約がある中で、費用対効果も十分に踏まえることが重要であります。
 また、県では、既に適正な事務処理をするために、マニュアルやチェックリストの作成や、庁内において審査や検査の体制を設けているものなど、内部統制の考え方は存在しており、今回の法律改正に伴う体制整備に当たっては、こうした既存の仕組みを活用することも有効と考えます。
 そこで、来年度の内部統制制度の導入に向け、現在、どのような検討をされているのか、また、今後、知事はどのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。
 質問の第四点は、介護人材の確保についてであります。
 少子高齢化の進展に伴い、生産年齢人口の減少が顕著となる中で、介護を必要とする方が適切なサービスを安心して受けることができるためには、介護人材の確保は喫緊の課題であります。
 厚生労働省が昨年五月に公表した第七期介護保険事業計画に基づく介護人材の必要数によると、いわゆる団塊の世代が全て七十五歳以上になる二〇二五年度には、全国では約三十四万人の介護人材が不足するとされており、本県においても約二千五百人が不足すると推計されています。
 また、現状においても、本県の介護サービス職種の有効求人倍率は四倍に近づいているほか、公益財団法人介護労働安定センターが行った平成三十年度介護労働実態調査によれば、従業員が不足していると感じている介護事業所が、その不足している理由について、全国では約九割が、本県でも八割以上が「従業員の採用が困難である」と回答しているなど、介護人材の確保は一段と厳しくなっております。
 こうした状況の中、国においては、二〇二五年以降、高齢者の急増から現役世代の急減に人口構造が変化するという新たな局面における対応として、社会の活力の維持向上のため、高齢者を初めとして多様な就労・社会参加を促進し、社会全体の活力を維持していくことを新たな課題としており、本県においても、これまでの取り組みをより一層推進することに加え、新たな介護人材確保の取り組みも必要ではないかと思われます。
 また、国においては、新たな介護の担い手として、これまでのEPA、経済連携協定に基づく特例的な外国人材の受け入れに加え、平成二十九年十一月に技能実習制度に介護職種を追加するとともに、本年四月には、介護分野を含む新たな在留資格「特定技能」を創設し、向こう五年間で六万人の外国人介護人材を受け入れるとしていることから、今後は、本県でも外国人介護人材が増加していくことが見込まれます。
 こうした中、既に外国人介護人材を受け入れている施設からは、生活面においてさまざまな悩みを抱える方もいらっしゃるという話を聞いております。本県では、四月から外国人からの生活相談などの一元的な相談窓口を設けるなどの取り組みが行われておりますが、コミュニケーションが求められる介護現場においては、外国人介護人材が円滑に就労・定着できるよう、さまざまな支援をしていくことが特に必要ではないかと思われます。
 そこで、介護人材の確保のために、現在、どのような取り組みが行われており、今後、どう取り組んでいくのか、知事のお考えをお伺いいたします。
 質問の第五点は、中小企業の販路拡大についてであります。
 我が県の中小企業について、その状況を見ると、県内の企業数に占める中小企業の割合は九九・八%とそのほとんどを占め、従業者総数に占める中小企業の割合も八三・五%と、その多くを占めていることが、ことし国が発表した中小企業白書にまとめられております。
 県内中小企業の中には、特にものづくり企業においては、国内でも有数のシェアを誇るナンバーワン、オンリーワン、ニッチトップ企業なども数多く存在しており、まさに中小企業は本県経済の屋台骨を支える重要な役割を担っていると言えます。
 ことし八月、県が発表した工業統計調査によると、従業者四人以上の製造業を営む事業所の数は、平成二十五年の二千二百六から平成三十年には千八百四十七に減少する一方、製造品出荷額については、平成二十五年の約二兆二千八百億円から平成三十年には約二兆五千八百億円に増加しており、県内のものづくり企業は大変厳しい状況の中でも、よく奮闘しているのではないかと思われます。
 今後、国内市場の動向は、先進国の中でも速いスピードで進む少子高齢化により、国内の人口が減少を続ける中、国内市場も縮小していくことが見込まれており、それに伴い、国内市場における地域間競争もますます激化することが予想されます。
 他方、海外市場に目を向けると、中国やASEANなど有望な輸出先として見込まれる国々がある中で、さまざまな国際情勢の変化や、国によって異なる商慣習など、経済のグローバル化への対応も課題となっております。
 我が県に限らず、国内の各地域も同じ状況であると思いますが、こうした国内での地域間競争や経済のグローバル化の潮流の中で、自社の強みを生かし、国内外における販路をいかに開拓し、また、拡大していくかが、地域経済の活性化の鍵を握っていると言っても過言ではないと思います。
 県内のものづくり企業は、高い技術力を誇っているものの、とりわけ中小企業においては、限られた人員体制の中で、いかに販路の開拓・拡大を行っていくのか、その課題に直面している状況にあります。
 このような状況の中、県として、課題を抱えている県内中小企業の販路拡大への支援に積極的に取り組むことで、県内経済を活性化していくことが求められていると考えます。
 そこで、県内のものづくり企業、とりわけ中小企業の販路拡大への支援について、今後、県としてどのように取り組むのか、知事にお伺いいたします。
 質問の第六点目は、国際航空路線の維持・拡充と外国人観光客の誘致についてであります。
 観光庁の宿泊旅行統計調査によると、本年一月から八月の本県における外国人延べ宿泊者数は約四十四万五千人泊と、過去最高となった昨年の同時期と比べ一・二七倍になっており、順調に増加傾向にあります。
 本県における外国人観光客を初めとする交流人口の拡大は、例えば、昨年来相次いだ宿泊施設の新規オープンを初め、裾野が広いと言われる観光関連産業の活性化など、県内経済の発展に大きく寄与するものであり、言うまでもなく新・せとうち田園都市創造計画の最終年度である来年度へ向けて、成長する香川を牽引していく重要な施策であります。
 また、本県における今年度の外国人延べ宿泊者数の内訳は、高松空港の定期航空路線の就航先である台湾を初め、中国、韓国、香港の四カ国・地域を合わせると約八二%と、昨年度と比べ約四ポイントも高くなっており、このことからも、本県としては引き続き東アジアとの定期航空路線を活用した外国人観光客の誘致を着実に推進していくことが必要であると考えております。
 このような中、台北線が来月から週六往復に減便され、また、日韓情勢の悪化に伴い、ソウル線が週三往復に減便されたことは、本県の交流人口の拡大を図る上で非常に残念なことであります。今後は、両路線における現在の利用状況や海外情勢なども踏まえつつ、インバウンド、アウトバウンド双方での利用促進に取り組むとともに、両路線のデイリー運航復活に向けた取り組みを推し進めていく必要があります。
 一方、既存路線の上海線と香港線については、インバウンド利用の割合が高い路線であり、また、高い訪日需要を背景に、今年度の利用率は好調に推移しており、両路線ともに九月末までの今年度上半期の利用率は九〇%台であると伺っております。香港線については、先月末から週五往復へ増便されましたが、現地での逃亡犯罪人条例等改正案に端を発した抗議デモが現在も継続しており、抗議デモなどによる海外情勢にも注視しつつ、今後の増便を見据えた外国人観光客の一層の誘致を促進していく必要があると考えております。
 そこで、高松空港における国際航空路線について、各路線・就航地の利用状況や特徴に加え、本県の航空ネットワークを取り巻く現状を踏まえた上で、台北線及びソウル線のデイリー運航復活へ向けた取り組みをどのように行っていこうとするのか、また、利用率が好調な上海線と香港線において、将来の増便に向け、一層の外国人観光客の誘致を図るためにどのように取り組むのか、知事にお伺いいたします。
 質問の第七点は、県産農産物のブランド力の強化についてであります。
 本県では、恵まれた自然や立地のもと、すぐれた農業技術や創意工夫により、収益性の高い、全国に誇れる農産物が栽培されています。加えて、付加価値の高い県オリジナル品種の育成などにも積極的に取り組んでおり、高品質なさぬき讃フルーツや全国的にも珍しい野菜のオリジナル品種のアスパラガスさぬきのめざめなど、特色ある農産物が生まれております。私の地元の高松市でも、さぬきのめざめに将来性を見出し、新たに就農する方がおられます。これら特長のある農産物は、消費者や市場からの高い評価により需要が拡大し、これに伴い生産が拡大する好循環が生まれていると聞いております。
 こうした中、本県の高品質な野菜や果物の五割以上は、首都圏や京阪神地域の消費者に供給されており、これまでも知事みずからが首都圏などの大消費地でのトップセールスに取り組まれ、本県農産物のブランド力の強化に一定の成果が出ておりますが、さらに本県農産物のブランド力を高めるためには、まずは地元の県民の方に県産農産物のよさを理解してもらい、応援してもらえるような取り組みが重要ではないでしょうか。
 最近、県民の方から、「季節に関係なく、ほぼ一年中出荷される農産物がふえ、農産物の旬がわからなくなった」という声をよく聞くようになりました。一方、最近の研究成果では、旬のものはおいしいだけでなく、栄養価が高くなることが明らかになりつつあるとのことです。香川県では瀬戸内の気候を生かした四季折々の特色ある農産物が生産されており、県産農産物が最もおいしく、栄養も豊富な旬の時期に味わってもらえる機会をふやすべきではないでしょうか。
 また、少子高齢化の急速な進展により、人口減少に伴う市場規模の縮小が懸念されております。本県農業を持続的に発展させ、農業をもうかる産業へ成長させるためには、他産地との差別化により、消費者ニーズの多様化や高品質志向への変化に対応することが、ますます重要になると考えます。
 全国に誇れる特色ある本県オリジナル品種など、県産農産物について、農産物そのものの魅力に加え、消費者や実需者ニーズに対応して工夫を凝らしたブランド力の強化につながる商品づくりや販売戦略など、新たな視点からの取り組みも必要だと考えます。
 そこで、県産農産物のブランド力の強化について、今後、どのように取り組むのか、知事にお伺いいたします。
 質問の第八点は、地震・津波対策海岸堤防等整備事業についてであります。
 近年、毎年のように甚大な被害を及ぼす災害が全国で発生しており、先月の台風十九号では、関東甲信地方、東北地方を中心に広い範囲で記録的な大雨となり、神奈川県箱根では日降水量九百二十ミリを超え、国内観測史上最大を更新するなど、十三都県で大雨特別警報が発令され、百カ所を超える河川の堤防の決壊や八百件を超える土砂災害等により、約百名の死者・行方不明者が出る激甚な被害が発生したところであります。
 自由民主党では、先月二十九日、被災地の厳しい現状と当該地域の方々の切実な御意見等を踏まえ、被災者の生活やなりわいを再建するとともに、防災・減災対策を着実に講じ、国土強靱化を強力に進めることなどについて、政府への緊急申し入れを行ったところであります。
 また、水害に限らず、昨年発生した大阪府北部地震や北海道胆振東部地震などの地震災害も各地で頻発しており、改めて大規模災害への備えの重要性を再認識する必要があります。
 政府は、今年度の補正予算と来年度予算を一体編成し、大規模災害に備えていく方針のようであり、県において必要な国の予算をしっかりと確保し、災害に強い社会資本の整備を着実かつ早急に推進してもらいたいと考えております。
 さて、本県においては、今後三十年以内に発生する確率が七〇%から八〇%とされている南海トラフを震源とする地震・津波から県民の生命や財産を保護するために、海岸堤防や河川堤防における地震・津波対策を推進していく必要があります。特に、本県には国の現地対策本部が設置される高松サンポート合同庁舎を初め、防災拠点空港としての高松空港、四国最大規模の耐震強化岸壁を有する高松港や陸上自衛隊第十四旅団などが存在することから、四国の防災拠点としての機能も求められており、地震・津波対策は本県の重要課題であります。
 このため、県では、海岸堤防や河川堤防における地震・津波対策を効果的、効率的に推進するため、平成二十七年三月に地震・津波対策海岸堤防等整備計画を策定し、対策工事に取り組んでいるところであります。この整備計画では、整備が必要な箇所が県内全域に及ぶため、全体の計画期間をおおむね三十年間として、十年ごとのI期からIII期に区分して実施することとしております。そのうち、地震直後に堤防等が沈下し、甚大な被害が想定されるなど、特に優先度が高い箇所については、平成二十七年度から令和六年度までのI期計画の前半五年間で早急に整備することとされており、そのI期前期計画が、今年度最終年度となっております。
 そこで、特に対策の実施が急がれるI期前期計画の進捗状況がどのようになっているのか、知事にお伺いいたします。
 また、いつ発生するともわからない巨大な地震・津波から県民の生命や財産を守るため、着実かつ早急に対策工事を進めることが大変重要であります。今後、どのように進めていくのか、あわせてお伺いいたします。
 質問の第九点は、文化財の保存と活用についてであります。
 文化財は、さまざまな時代背景の中で、人々の生活や風土とのかかわりにおいて生み出され、現在まで守り伝えられてきた貴重な財産であり、文化財を確実に次世代に継承していくことは、我々の役目であると考えます。しかし、近年、社会状況は急激に変化し、過疎化・少子高齢化の進行により地域の衰退が懸念されている中、豊かな伝統や文化は消滅の危機に直面しており、また文化財の継承の担い手の不足により、散逸・消滅すると指摘されております。
 このような中、改正文化財保護法が本年四月に施行され、これからの文化財保護行政が、保存中心から、しっかりとした保存のもと、魅力あふれるまちづくりや地域の活性化にも積極的に活用するという新たな方向性が示されたものと思われます。
 県内には史跡天然記念物に指定されている屋島、重要文化財指定の建造物や円山応挙などの絵画を多数所蔵する金刀比羅宮などは、既に主要な観光地となっています。
 その観光地の一つに、国の特別名勝に指定されている栗林公園があります。栗林公園は借景となる紫雲山と、さまざまな樹木や池、四季の草花などの自然、掬月亭、旧日暮亭などの建造物が調和した回遊式大名庭園で、春と秋のライトアップ、和船での舟遊びなど、積極的な活用により、国内外から年間七十万人を超える観光客が訪れております。
 栗林公園や屋島、金刀比羅宮などは、それぞれの魅力を生かして地域の観光資源としての活用を積極的に進めておりますが、これら以外にも、香川県には潜在的な魅力を持つ多数の文化財があります。日ごろから文化財の歴史的・文化的な価値を守り、また、利用者の安全を確保するしっかりとした維持・管理を行うとともに、さらに磨き上げることで、文化財を観光資源として活用することができるものと考えます。
 一方で、せんだっての沖縄首里城での大規模火災は、国内外に大きな衝撃を与えました。県内においても、昨年七月の西日本豪雨や九月のたび重なる台風などにより、丸亀城の石垣崩落や建造物のしっくい剥落など、県内の重要文化財が大きく被害を受けました。また、今後三十年以内に南海トラフ地震も七〇%から八〇%の確率で発生するとの予想があり、文化財を維持するための通常の修理とともに、このような自然災害などに対しての対策、また、その予防をしっかりと実施していく必要があります。
 そこで、文化財保護法が改正され、今後、文化財保護行政が新たな局面を迎える中、県教育委員会として、県内の文化財の保存と活用について、今後、どのように取り組んでいくのか、教育長にお伺いいたします。
 以上で、香川県議会自由民主党議員会を代表しての質問を終わります。

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