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平成21年2月定例会

 私は、ただいまから香川県議会自由民主党議員会を代表して、当面する県政の諸課題について、知事並びに警察本部長にお伺いいたします。
 質問に先立ちまして、一言申し述べたいと思います。
 今、百年に一度の恐慌と言われる金融危機により、世界の経済・金融市場は大きく混乱し、欧米や日本といった先進国のみならず、アジアなどの新興国においても、経済は深く長い不況のトンネルに迷いつつあります。
 これまでも我が国は、バブル崩壊や幾たびかの円高といった厳しい時代を経験し、その都度、政府・与党が対策を講じ、乗り切ってきたところであります。現在の苦境を克服し、経済の再生を果たすためには、地方の活力を高めていくことが最も重要な手段の一つであると考えられます。そのためには、権限・財源の地方への移譲とともに、大都市圏と地方との格差や地域間の格差の是正が必要であります。とりわけ四国地域は、経済基盤が脆弱で疲弊の度合いが強く、格差を解消するための施策が不可欠であります。
 このような中、現在の我が国経済の危機的な状況から脱出するため、政府・日銀は総額七十五兆円の景気対策を打ち出しておりますが、実体経済の悪化は予想を超える速度で進んでおります。あらゆる対策を切れ目なく実行する必要があります。
 多くの国民は、一日も早い景気の回復を願っております。我が香川県においても、国との連携のもと、諸課題の解決と県経済の活性化に引き続き全力で取り組んでいかなければならないと決意を新たにしているところであります。
 以上、申し述べまして質問に入ります。
 質問の第一点は、平成二十一年度当初予算についてであります。
 政府は、我が国の経済・雇用情勢の急速な悪化に対応するため、当面は景気対策という方針のもと、第一次補正予算以降、第二次補正予算、平成二十一年度予算と、切れ目のない景気対策を講じようとしています。
 本県においても経済状況や県民生活は、かつてない厳しいものとなっており、これに対応するため、さきの臨時会において百三十五億円規模の補正予算が成立したところであります。
 今定例会に提案された平成二十一年度当初予算を見ますと、一般会計予算の歳出は四千百九十億円余と、本年度に比べ二・一%の減少で、予算規模は八年連続のマイナスとなっています。歳入については、景気後退を反映して、県税収入は本年度に比べ二百十四億円、一六・六%の大幅な減少、地方交付税は本年度に比べ六十六億円、六・五%の減少となっております。逆に、借金である臨時財政対策債は四百四十四億円で、本年度に比べ二倍を超える大幅な増加になるなど、財政状況は一層厳しさを増しています。一たん黒字化を達成したプライマリーバランスは、臨時財政対策債の大幅な増額により、再び赤字に転じています。
 現下の厳しい社会経済情勢からすれば、経済・雇用対策など地域と経済の活性化が最も求められている今こそ、積極的な対策を講じることが最優先であることは申し上げるまでもありません。しかし、その一方で、財政再建も同時に推進しなければならず、難しいかじ取りが求められています。平成二十一年度は、新たな財政再建方策の中間年に当たりますが、厳しい財政環境の中、「地域と経済の活性化」と「財政再建」をどのようにバランスをとっていくのか、また、財政再建方策のどの部分を堅持していくのか、確固たるビジョンを持って今後の財政運営に当たらなければなりません。
 そこで、平成二十一年度当初予算について、どのような思いで予算編成をしたのか、知事にお伺いします。
 また、厳しい財政状況のもと、中長期的な財政見通しと財政再建方策の見直しについての考え方をあわせてお伺いいたします。
 質問の第二点は、地方交付税制度についてであります。
 地方交付税は、本県の一般会計歳入総額の約四分の一を占める主要な一般財源であります。国の平成二十一年度予算案では、麻生首相の指示により、生活防衛のための緊急対策に基づく雇用創出や地域の元気回復の財源として、地方交付税の総額が本年度に比べ四千百億円余増加していますが、全体調整の中で本県においては六十六億円減少する見込みです。
 地方交付税は、所得税、法人税等の一定率を充てることとされていますが、近年の景気の悪化などにより毎年財源不足が生じています。このため、法定率の若干の引き上げなどもなされてきましたが、到底抜本対策と言えるものではなく、加えて平成十三年度から導入された臨時財政対策債は、その元利償還金を国が全額地方交付税で措置という地方交付税の代替的なものではありますが、あくまでも赤字地方債です。
 本県の地方交付税は、当初予算ベースで見ると、税源移譲の影響はあるものの、十年前の平成十一年度に比べ四百五十五億円、三二・五%の減少となっています。国が景気対策や税の政策減免、さらには財政対策等のため後年度において財源措置すると約束した地方交付税措置額が、算定上は今後大幅に増額することが見込まれますが、実際には、地方交付税は景気の悪化などに伴い、今後さらに減少することが予想されます。マクロベースで見ると、地方交付税の法定率分の財源が十分でないため、地方では臨時財政対策債の借金を返すために新たな臨時財政対策債により借金をするという、返済を先送りしているようなものです。地方交付税の算定方式も不明瞭です。
 一方、本県の県債残高は、平成二十一年度から減少に転ずるよう県債の発行を抑制してきましたが、平成二十年度に創設された地方再生対策費による財源措置が臨時財政対策債により行われたことで一年おくれ、二十二年度から減少するとの現在の見込みも、さらに先送りとなることは明らかであります。
 我が国が未曾有の世界不況から脱出し、安心して暮らせる活力ある社会を実現するためには、地方の活力を高め、強い地方を創出することが求められています。しかし、現在の地方財政制度のままでは、今後さらに地方交付税が減少することが見込まれ、住民に最低限の行政サービスを提供することもできなくなるという事態になりかねません。地方交付税は地方自治体の安定的な財政運営に資するものでなければなりません。
 そこで、現在の地方交付税制度の問題点についてどのように認識し、また、地方自治体の安定的な財政運営の確保という視点から、制度の見直しにどのように取り組むのか、知事のお考えをお伺いします。
 質問の第三点は、経済・雇用対策についてであります。
 世界的な金融危機と不況の拡大という大波は本県にも押し寄せ、深刻な影響が出始めております。こうした状況に対応するため、昨年末、県は総合的な経済・雇用対策を実施するため、真鍋知事を本部長とする経済・雇用緊急対策本部を設置しました。県民は、地域経済の活性化と雇用対策に大きな期待を寄せております。
 以下、経済・雇用対策について、二点にわたり知事のお考えをお伺いします。
 その第一は、県経済の活性化についてであります。
 先月、日銀は金融政策決定会合において、平成二十年度と二十一年度の実質経済成長予想を、それぞれマイナス一・八%、マイナス二・〇%に大幅下方修正することを決めました。この結果、戦後最悪だった平成十年度のマイナス一・五%を二年連続で下回ることになり、金融危機による不況が深刻化していることを示しました。
 それを裏づけるように、先日、内閣府が発表した昨年十月から十二月期の国内総生産の実質成長率は、年率換算で一二・七%のマイナスとなり、戦後二番目、三十五年ぶりの下げ幅となりました。失業に対する不安が個人消費を低迷させ、それが一段の企業業績の悪化につながるという、いわゆる負の連鎖に既に陥っているとの見方すら出ております。
 一方、県内企業の生産動向を見ますと、国内外の急速な需要減退を受けて、景気後退の影響が製造業を中心に拡大しており、ほとんどすべての業種で収益の悪化が見込まれております。
 民間信用調査会社によりますと、平成二十年における企業倒産件数は、負債額一千万円以上では前年比十五件増の九十一件、負債総額は前年の二・四倍の三百十八億円余となっており、倒産件数、負債総額いずれも増加しております。こうした状況を打開し、本県経済の活性化を図るため、県としてなし得るあらゆる手だてを早急に、かつ継続して講ずる必要があります。
 そこで、本県経済の活性化を図るため、どのようなビジョンを持ち、今後どう取り組んでいくのか、お伺いします。
 あわせて、数値目標についてどのようにお考えなのか、お伺いします。
 その第二は、雇用の維持・創出についてであります。
 今回の金融危機により、不況の波は数多くの業種に及び、その影響は減産から雇用調整へとますます深刻になっております。派遣や契約期間労働のいわゆる非正規労働者の雇いどめに始まり、現在では正規労働者の削減にまで及んでおります。今後、雇用の悪化が一層深刻になるのではないかと懸念されます。
 こうした状況の中、先月末、製造業への派遣・請負会社でつくる業界団体は、我が党本部の労働者派遣問題研究会に出席して、昨年秋から来月末までの約半年間に、製造業で派遣や請負社員ら非正規労働者四十万人が失職する可能性があるとの見通しを示しました。
 一方、本県においても、香川労働局の先月末の発表によれば、昨年十月から来月までの間で、県内の非正規労働者の雇いどめが十二件、四百人になることが判明しており、また、新規内定取り消しについては、県内の事業所で十三人発生しております。さらに、先週には新たに約百八十人の雇いどめが明らかになるなど、今後さらに増加するおそれがあります。
 当面は、救済的な雇用対策を迅速に講ずるのは当然でありますが、さらに一歩踏み込んで中長期的な視点に立って、県経済の活性化につながるような安定した雇用の創出に取り組むことが何よりも重要であります。
 麻生首相は、先月二十八日の施政方針演説において、国から都道府県への交付金を活用することなどにより、今後三年間で百六十万人の雇用創出を図ることを打ち出しております。今回の国の雇用対策を有効に活用することはもとよりですが、これに加えて、本県の実情に合った独自の取り組みをすべきであります。担い手不足や雇用のミスマッチが生じている分野での就労につながる支援を、県を挙げて重点的かつ積極的に行う必要があると考えます。
 そこで、雇用の維持・創出に短期的また中長期的にどのように取り組むのか、どの程度雇用の拡大を図ろうとしているのか、お伺いいたします。
 質問の第四点は、地方分権改革についてであります。
 平成十八年に地方分権改革推進法が成立し、第二期地方分権改革が進められています。この改革は、「地方が主役の国づくり」を目指し、だれもが住みなれた地域で生き生きと暮らしていける社会をつくるため、国と地方の役割分担を一から見直すなど、国のあり方そのものをつくりかえる重要な改革であります。この改革が目指すところは、地方自治体を自治立法権、自治行政権、自治財政権を備えた完全自治体としていくとともに、住民意思をより反映させるための地方政府を確立することであります。
 政府の地方分権改革推進委員会は、昨年五月の第一次勧告に続き、十二月八日に第二次勧告を取りまとめ、麻生首相に提出しました。第二次勧告では、地方農政局や地方整備局など六つの出先機関を統廃合し、新たに地方振興局と地方工務局を設けることや、出先機関の職員を三万五千人程度削減することなどが柱となっています。国の関係省庁の強い抵抗によって、完全な廃止は一機関にとどまり、大半の業務は新組織に残るほか、地方への権限移譲は限定的であるなど、改革は大きく後退した感があります。さらに、巨大な新組織の設置は、地方分権に逆行し、新たな中央集権が進むおそれすらあります。
 さきの三位一体改革においては、国の大幅な関与を残したまま、国庫補助負担率の引き下げや地方交付税の大幅な削減が行われ、地方財政が危機的な状況に陥る原因となりました。国の財政再建が優先され、地方には負担のみが押しつけられたとの思いがあります。真の地方政府を確立するためには多くの課題が残されており、今後も関係省庁の抵抗が予想される中、地方分権改革は、かけ声倒れに終わるのではないかと強く危惧されます。
 推進委員会は、今春にも予定されている第三次勧告で、国と地方の財政関係や地域間における財政格差の是正など、税財政構造の構築等に関する勧告を行う予定となっています。財源問題は改革の最大の山場です。臨時財政対策債のように借金の先送りにすぎないものではなく、税源移譲による真の地方財政が確保されなければ、地方が立ち行かなくなることは明白であります。地方の意見が十分に反映された改革となるよう、とりわけ地方の税財源のあり方について、今まで以上に国への強力な働きかけをしていく必要があります。
 また、自立力の高い地域づくりには、核となる産業や企業の集積が不可欠であります。このためには、国の施策として、地方への本社や工場の立地・移転に対する手厚い優遇措置を講ずることによって、日本全国に自立力の高い地域を創出するぐらいのことをしないと、道州制や地域主権は成立しないと思います。
 そこで、地方分権改革に向け、今後どのように取り組むのか、知事のお考えをお伺いします。
 質問の第五点は、文化芸術の振興についてであります。
 県では、県民一人一人が心の豊かさと潤いを実感できる活力ある香川の実現を目指し、一昨年、いわゆる文化芸術振興条例を制定しました。そして、昨年を文化振興元年と位置づけ、平成二十四年度までを計画期間とする香川県文化芸術振興計画を策定しました。
 この計画の中で位置づけられた戦略的重点事業を見ますと、平成二十一年度の高松国際ピアノコンクール、平成二十二年度の瀬戸内国際芸術祭など、華やかなイベントが続く計画になっています。一方、イベント以外の取り組みとして、四国八十八カ所霊場と遍路道の世界遺産登録や香川漆芸の振興といった継続的に実施していかなければならない事業もあります。
 そこで、以下二点にわたり知事のお考えをお伺いします。
 その第一は、四国八十八カ所霊場と遍路道の世界遺産登録についてであります。
 昨年九月の文化庁の審議結果によりますと、残念ながら四国八十八カ所霊場と遍路道の世界遺産暫定リストへの記載は見送られたものの、記載されなかった資産の中では最も高いランクの評価を得ました。四国遍路は、四国を全周して弘法大師ゆかりの八十八カ所の霊場をめぐる全長千四百キロメートルにも及ぶ壮大な寺院巡礼であり、遍路のもととなる思想・信仰、実践する場、それをお接待などで支える地域社会、これら三者が一体となって、千年を超えて今に継承されている生きた文化遺産であります。このような遍路文化は、日本国内ばかりか世界的に見ても類のないものであり、将来の世代へ引き継いでいくべき価値を持つ世界文化遺産にふさわしいものであります。
 世界遺産登録は、登録それ自体を目的とすべきではありません。より重要なことは、登録に向けた一連の活動を通じて我々みずからがこの遺産に対する認識を深め、愛着と誇りを新たにすることであります。同時に、国内外に広く情報を発信することにより、観光客を誘致することで地域の活性化を図るということであります。今後は、文化庁から指摘された課題を踏まえ、関係する県や市町、寺院等とも連携しながら、引き続き登録に向けて取り組む必要があります。
 そこで、世界遺産登録に向けて今後どのように取り組んでいかれるのか、お伺いします。
 その第二は、香川漆芸の振興についてであります。
 漆芸研究所は、本年四月に現在の文化会館に移転開所されると伺っております。本県の漆芸は全国的に有名であり、特に蒟醤、存清、彫漆は本県の伝統的な工芸であります。本県には、いわゆる人間国宝を初め多くのすぐれた漆芸作家や技術者がおられます。漆芸研究所は、漆芸を教える施設としては全国で最も早い昭和二十九年に設置され、本県の伝統漆芸や人間国宝の技法を継承する人材の育成を初め、漆芸業界で活躍する技術者の養成を行ってきました。現在の漆芸王国・香川の地歩を築いたのは、漆器製作の後継者を養成してきた漆芸研究所に負うところが大きいと言えます。
 今回の移転を機に、香川漆芸をさらに発展させるとともに、香川漆器のよさを国内はもとより海外にも積極的に情報発信するなどして、香川漆芸の一層の振興を図る必要があると考えます。
 そこで、移転後の漆芸研究所の機能を含め、香川漆芸の振興にどのように取り組むのか、お伺いします。
 質問の第六点は、国際交流の推進についてであります。
 本県は、中国の陝西省を初めとして、南米各国の県人会とも長年にわたり交流を続けており、相互理解や県民の国際感覚の涵養に一定の成果を上げております。本年一月には、平成十七年から旧三野町が交流を続けてきた陝西省三原県と三豊市が友好都市交流覚書に調印するなど、その輪が広がっているところであります。
 また、昨年は、ブラジル日本人移民百周年に当たり、真鍋知事、松本議長を初めとする訪問団がブラジル、アルゼンチンを訪れ、現地の県人会の方々と交流を深めたところであります。県人会の方々は、香川県を母国ならぬ母県という意識を持っておられます。その思いにこたえるべく、毎年南米各国から研修生を受け入れており、その研修制度が高く評価されていると伺っております。引き続き、南米との交流を深めていく必要があると思います。
 しかしながら、現状においては、多くの県民が国際交流に積極的に参加したり、相互にメリットを享受する段階にまでは至っていないのではないでしょうか。
 そのような中、本年は、陝西省との友好県省提携から十五周年となる節目の年であります。この友好県省提携が実現したのは、日中国交正常化十周年を記念した空海記念碑の建立以来、瀬戸大橋記念博や全国植樹祭、青龍寺遺跡庭園の建設など、さまざまな機会をとらえ多くの人々が交流を重ねてきた成果であります。友好県省提携を結んでからは、相互理解と友好を一層深めることを目的に、経済、文化、教育、スポーツなどの各分野において交流を深めてまいりました。
 しかし、最近においては、国際交流員や技術研修員の受け入れなどの人的交流、あるいは雑伎芸術団受け入れや麺交流団派遣などの文化交流に比べると、経済、青少年、スポーツといった分野での交流は、やや先細りの状況にあります。言うまでもなく、国際交流においては、継続して活動することが何よりも重要であります。先人たちの努力に思いをいたし、これまで積み上げてきた友好と信頼の相互交流をさらに発展させていく努力が必要であります。
 そこで、陝西省との友好県省提携十五周年記念事業も含め、今後、南米や中国を初めとする国際交流の推進にどのように取り組むのか、知事のお考えをお伺いします。
 質問の第七点は、県産品の販路開拓に向けた経済戦略についてであります。
 世界的な金融危機により、我が国経済の先行きが不安視される現在、より強固で将来にわたり持続可能な経済基盤を構築していくためには、これまでにも増して地域産業の振興に向けた取り組みが不可欠となっており、我が香川としても幅広く取り組む必要があると考えます。
 そこで、以下二点にわたり知事のお考えをお伺いします。
 その第一点は、本県と距離的にも近く、経済面でかかわりの強い関西圏への販路開拓についてであります。
 現在、首都圏では、本県のアンテナショップとして平成十五年三月にオープンした香川・愛媛せとうち旬彩館において、県産品の展示や郷土料理の提供、観光情報の発信を通じ、県産品の販路拡大や知名度の向上、香川のイメージアップに取り組んでおり、売上高、利用者数ともに順調に推移していると伺っております。
 一方、関西圏は、主要な県産品の最大の県外出荷先でありますが、いま一つ知名度が上がっていないのではないでしょうか。また、すぐれた県産品が多くあるものの、それぞれの生産量が少ないという中で、今後は効果的なPRや売り込みが必要になってくると考えます。人口約二千万人を擁し、GDP約八十兆円と言われる関西圏は、本県にとって極めて重要な経済圏域であります。したがって、関西圏でいかにして販路を拡大するかは大きな課題であります。
 今後、県産品の販路開拓や観光・食文化の情報発信等の面で、より効果を上げる方策の一つとして、せとうち旬彩館のようなアンテナショップを設けてはどうでしょうか。その際、本県単独ではなく、他県と共同して出店できれば相乗効果のメリットが期待できます。
 言うまでもなく、アンテナショップの本来の設置目的は、売り上げそれ自体ではなく、消費者の反応を商品開発に反映させることにあります。また、百貨店や食材納入業者あるいはレストラン等の関係者を招いて県産品のPRを行うなど、売り込みの拠点として活用することもでき、その利用価値は大きいものがあります。
 そこで、関西圏におけるアンテナショップの新設を含め、県産品の販路開拓について今後どのように取り組むのか、お伺いします。
 その第二は、海外への販路拡大に関しての商標登録問題への対応についてであります。
 先般、本県で開催された四国四県の知事会談において、本年九月をめどに上海に四県共同のアンテナショップを設置する考えが示されました。設置期間は半年間で、農水産物や調味料、地酒など、四県の特産品を現地の事業者等へPRするとともに、中国の市場調査の拠点としても活用し、将来の販路開拓につなげたいということであります。
 このように、海外への販路拡大は重要な課題となってきております。しかしながら、近年、海外においては、我が国の地名や地域ブランド等が第三者によって商標登録される事例が相次いでおり、海外での販路開拓を進める各自治体は、地名が海外において商標登録される問題に苦慮しております。
 本県でも、昨年、台湾において「讃岐」などの名称をめぐって商標登録の問題が発生していることから、今後、海外への販路拡大を行おうとする県内事業者がトラブルに巻き込まれることのないよう、早期の対策が強く求められております。
 昨年六月定例会の我が党の代表質問に対して、知事からは「海外における地名の商標登録問題等に対応するため、各事業者団体の意見も聞きながら、県における知的財産の活用方策等を知的財産推進プログラムとして取りまとめる」との答弁がありました。その後、県では、関係部局が連携して、県内の関係機関や弁理士などから成る有識者会議の意見を聞きながら、全庁挙げて検討を行っていると伺っております。
 そこで、知的財産推進プログラムの策定状況も含め、海外への販路拡大に際しての商標登録問題についてどのように対応していくのか、お伺いします。
 質問の第八点は、観光振興の取り組みについてであります。
 その第一は、にぎわいの創出についてであります。
 本年は〇九香川まちめぐり「てくてくさぬき」、平成二十二年度には瀬戸内国際芸術祭の開催が予定されております。
 まず、「てくてくさぬき」については、この四月から春、夏、秋の三期に分けて、その季節ごとに基本テーマを設定するとともに、各テーマに基づくキャンペーン期間を設定し、効果的な集客を図ることとしております。
 しかしながら、観光については、地域間競争が激化していることに加え、観光客のニーズも多様化していることから、地域資源の積極的な活用や、一過性とならない魅力づくりが何よりも重要であります。
 こうした中、本州四国連絡道路を含めた高速道路の料金を大幅に引き下げる国の第二次補正予算が先月成立したことから、観光客誘致に向けての起爆剤になるものと大いに期待しております。
 そこで、「てくてくさぬき」の開催に当たって、新たな滞在型観光ニーズを掘り起こすため、具体的にどのように取り組むのか、知事にお伺いします。
 あわせて、開催に向けての広報活動の取り組みについてお伺いします。
 また、平成二十二年度に開催予定の瀬戸内国際芸術祭については、玄関口である高松港周辺と七つの島々を会場に、さまざまなアートプロジェクトや各種イベントが実施されることとなっております。本芸術祭には、国内はもとより、海外からの観光客の来場も予想されることから、瀬戸内海のすばらしい景観を世界に発信する絶好の機会であります。
 二十一年度はプレイベントも予定されているなど、本芸術祭開催に向けての取り組みが本格化することから、県は市町と一体となった推進体制の強化や情報発信、交通アクセス整備等に早急に取り組む必要があると考えます。
 そこで、本芸術祭開催に向けた推進体制の強化について、知事のお考えをお伺いします。
 また、あわせて、広報や交通対策について今後どのように取り組むのか、お伺いします。
 その第二は、栗林公園の活性化についてであります。
 国の特別名勝に指定されている栗林公園は、兼六園など、いわゆる日本三名園をしのぐ我が国を代表する庭園であり、「一歩一景」と称される変化に富んだ美しい庭園に対する県民の思いは特別なものがあります。この栗林公園に、いかにしてより多くの人々に訪れてもらい、さらに県内各地に足を延ばしてもらうか、また、それによって地域の活性化にどうつなげていくかということは、本県の観光振興を図る上での最重要課題であります。
 最近は、春・秋のライトアップやさまざまなイベントの開催により、入園者数は六十万人を超える水準で推移しておりますが、瀬戸大橋が開通する前の百三十万人には遠く及ばない状況であります。また、昨今の経済情勢等を考えた場合、入園者の維持・増加は容易ではありません。よほどインパクトのある誘致策を講じなければ、入園者も次第に減少に転ずるのではないかと危惧するものであります。
 独立行政法人国際観光振興機構が海外のメディアやエージェントに提供しているフォトライブラリーのアクセス数を見ると、京都の圓光寺や富士山などに次いで栗林公園が第四位となっております。外国人の関心が高いのは非常に喜ばしく、また、誇りにも思いますが、実際の入園につながる具体的な働きかけが必要であります。例えば、園内での結婚式を可能にしたり、南湖に屋形船を浮かべての茶の湯や季節の料理を提供したり、また、独創的なPRの実施や、美術館を初めとする他の観光資源と連携したネットワーク型の取り組みも必要ではないでしょうか。
 そこで、こうした新たな取り組みについてどのようなお考えをお持ちなのか、知事にお伺いします。
 ところで、私は旅行業者等から物産販売の充実を求める声をよく聞きます。現在、商工奨励館における物産販売については県物産協会が行っていますが、いかんせん建物が老朽化していることもあって、早急にその充実を図る必要があります。
 もちろん、県財政が厳しい折、財政再建方策の中で、箱物整備については平成二十二年度まで凍結ということは十分承知しております。しかしながら、栗林公園の周辺を見たとき、土産店のほとんどが閉店するなど、状況は大きく変化していることから、県外観光客のニーズにこたえるためにも、物産販売の充実に向けて検討すべき時期に来ていると考えます。
 そこで、物産販売棟の整備を含め、商工奨励館のあり方について知事のお考えをお伺いします。
 その第三は、広域観光の推進についてであります。
 近年、旅行形態は団体旅行から少人数旅行へと変化するとともに、観光ニーズの多様化に伴い、多種多様な観光ルートの設定が求められるようになっております。
 こうした中、平成十七年に九州七県を対象とする九州観光推進機構が設立されました。また、平成十九年には、東北六県と新潟県を対象とする東北観光推進機構が、さらに昨年は北海道観光振興機構が設立されるなど、各地域において有力企業を巻き込んだ組織が相次いで立ち上がってきております。
 一方、四国四県においては、平成五年に「四国は一つ」を合い言葉に四国観光立県推進協議会を広域での観光推進団体として全国に先駆けて立ち上げ、観光振興に取り組んでいるところであります。
 国においては、昨年十月、観光庁を発足させ、観光立国の実現を図ることが我が国の経済社会の発展に不可欠な課題であるとしております。地域間競争が激化する中、四国四県においても地域経済の活性化を図るためには、早急に推進体制の強化を図り、広域観光に取り組む必要があると考えます。
 そこで、四国観光立県推進協議会の組織強化も含め、広域観光の推進に向けて今後どのように取り組むのか、知事のお考えをお伺いします。
 質問の第九点は、県内建設業への対策についてであります。
 本県の建設業は、社会資本整備の直接の担い手であり、同時に地域の雇用を担い、地域経済を支えてきました。また、台風等の災害時には応急対応で地域に大きく貢献してきました。このように建設業がこれまで地域において果たしてきた役割については、だれもが認めるところであります。
 しかし、厳しい財政状況の中で、例えば県土木部の公共事業費が平成十年のピーク時からほぼ三分の一になっているように、公共事業費は大幅に減ってきております。景気の低迷などにより、地方における民間事業も少なくなりました。一方で、事業者数は一割程度しか減少しておりません。その結果、過当な競争の中で中小建設業者の経営は非常に厳しい状況に置かれています。さらに、経済・金融の世界的な異常事態が重なり、建設業界はまさに危機的な状況にあります。
 このような状況への対応は、一義的には事業者や業界団体がみずから取り組むべきことはもちろんでありますが、一方で、県の経済や雇用に対する影響、さらには災害時の対応を考えますと、県としてこのまま成り行きに任せるということでよいのでしょうか。
 円滑な建設工事の執行は、高度な技術力を持った技術者、熟練したオペレーターや作業員といった人材がそろって初めて可能となるものであります。人材を有し信頼できる建設業者を県内の地域バランスも考慮しながら確保する必要があると考えます。
 公共事業が大幅に減ったといっても、必要な事業がなくなったわけではありません。例えば、学校を初めとする公共施設の耐震化や高潮対策事業など、真に必要で早急な対応が求められる事業も多く存在するのであります。
 さきの臨時会においては、経済・雇用緊急対策として高潮対策等の公共事業費の増額補正がなされたところでありますが、継続的に対応する必要があることから、来年度当初予算案に計上されている事業についても早期発注に努めるなど、建設業者が切れ目なくその事業活動が継続できるような対策を講ずる必要があるのではないでしょうか。
 同時に、現在の社会経済環境に即して、業種転換や新分野進出などを図ろうとする建設業者に対する支援も必要であると考えます。
 そこで、県内建設業への対策についてどのように取り組むのか、知事のお考えをお伺いします。
 質問の第十点は、内海ダム再開発事業についてであります。
 内海ダム再開発事業については、去る二月六日に国が土地収用法に基づく事業認定を行いました。これは事業の合理性、公益性を国が改めて認めたものであり、事業を進める県や地元とともに、その必要性を訴えてきた我が党の主張の正当性が認められたと評価できるものであり、事業は新たな段階へとステップアップしたと受けとめております。
 この事業については、これまで地元の住民を初め産業界などから、国はもとより県並びに県議会に対して何度も強い建設促進の要望がなされてまいりました。また、現在、国会において審議されている政府の来年度予算案には、内海ダム本体工事に関する経費の一部が盛り込まれております。
 事業がおくれれば、災害発生の危険や渇水によって、島の主力産業である観光や地場産業への影響が懸念されます。島民のほとんどが一日も早いダムの完成を待ち望んでいるのではないでしょうか。このたびの事業認定を弾みに、事業を着実に推進すべきであると考えます。
 そこで、今後、内海ダムの再開発事業をどのように進めていくのか、そのスケジュールを含め、事業推進に向けた知事の決意をお伺いします。
 質問の第十一点は、薬物取り締まりの強化についてであります。
 最近の全国的な薬物情勢を見ますと、覚せい剤による検挙人数は減少傾向にあるものの、依然として全薬物犯罪の検挙人数の八割を占めており、覚せい剤が薬物問題の中心である状況が続いております。また、大麻による検挙人数は十年前の約二倍に増加しているほか、若者を中心にMDMA等の合成麻薬の使用が広がっています。さらに、携帯電話やインターネットの急速な普及により、これらを利用した密売方法がより巧妙化し、乱用者が薬物を入手しやすい環境になってきております。
 本県においても、密売や乱用されている薬物の主流は覚せい剤であります。昨年の覚せい剤による検挙人数は七十四人と、平成十九年から二十九人減少しているものの、薬物犯罪の六割を占めている状況であります。
 また、大麻による検挙人数が前年から三倍増の三十六人となり、薬物犯罪の三割を占めるまでになっております。大麻は、他の薬物に手を出す入り口になるという意味で「ゲートウエイ・ドラッグ」とも呼ばれており、繰り返し使用すると、何事も怠けてしまう無動機症候群になったり、記憶力の低下をもたらす危険な薬であります。ところが、覚せい剤などに比べて依存性が低いので安全であるとの誤った情報が流布されていることや、インターネットを利用した通信販売により、種子や栽培器具が簡単に入手できることなどから、大学生など若者の間に使用が広がっております。
 昨年検挙された三十六人のうち約六割が二十歳代以下の若者でした。昨年七月には、さぬき市で十五歳の少女が自宅のアパートで大麻を栽培しているのが見つかり、交際相手の男性とともに逮捕されております。決して都会だけの現象ではないのです。
 薬物乱用の弊害は、乱用者自身の精神や身体上の問題にとどまらず、家庭内暴力などによる家庭の崩壊、さらには殺人、放火など悲惨な事件の原因となることであります。社会全体へ及ぼす影響は大きく、薬物取り締まりの強化は喫緊の課題であります。
 そこで、今後どのように薬物取り締まりを強化していくのか、警察本部長のお考えをお伺いします。
 質問の第十二点は、子供や女性に対する犯罪の未然防止についてであります。
 最近、舞鶴市の女子高校生殺人事件や千葉県東金市の女児殺人事件など、全国的に子供や女性が被害者となる痛ましい事件が続発しております。力の弱い子供や女性をねらう犯罪は、何の罪もない被害者とその家族の平穏な生活を突然破壊するだけでなく、事件のあった地域の住民にも著しい不安感を生じさせるものであり、未然防止と徹底検挙が強く望まれるところであります。
 悪質な性犯罪等が起きる前には、その地域においてしばしば不審者やストーカーが確認されており、他県では、つきまとい行為などがエスカレートしてストーカー殺人にまで及んだ例もあります。つきまとい行為の段階で何らかの手だてがとられていれば重大な犯罪にまで至らなかった可能性もあるのです。
 警察庁では、悪質な性犯罪等の前兆であるつきまとい行為や声かけ事案などの対策を強化し、法令違反がなくなっても積極的な注意や警告で犯罪を未然に防止することを目的として、来年度から全国の警察本部に専従対策班を設置することを決定しました。地方警察官が九百五十九人増員され、そのうち七百七十七人が専従対策班に充てられると聞いております。
 本県においては、性犯罪の被害件数は横ばいの状況でありますが、子供に対する声かけ事案は増加傾向にあります。現在、県警のメールマガジンを使った地域の不審者情報の発信、防犯ボランティア団体による青色パトロールカーの運行や通学路の見守り活動など、官民一体となったさまざまな対策がとられてはおりますが、声かけをする不審者がいつか犯罪を起こすのではないかという不安感を払拭することは容易なことではありません。
 不審者情報が寄せられた場合、警察が重点的に対応してくれることがわかれば、県民に安心感を与えるだけでなく、犯罪を起こそうとする者に対して強い抑止効果が期待できます。事件の摘発はもちろんでありますが、それにも増して被害者を出さないことが第一であり、犯罪の未然防止を図ることが極めて重要であります。
 そこで、専従対策班の設置を含め、子供や女性に対する犯罪の未然防止に向け、どのように取り組んでいくのか、警察本部長のお考えをお伺いします。
 以上、香川県議会自由民主党議員会を代表しての質問を終わります。


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